会計を経営に活かす!会計データの正しい活用方法

会計は大きく分けると制度会計管理会計があります。

制度会計は外部公表を目的としたもので、代表的なものが決算報告書です。
反対に管理会計は内部管理用のもので、外部に公表されることは基本的にありません。

外部に公表・提出するために行うのが制度会計で、内部の経営管理用に行う会計が管理会計です。
この2つを区分したうえで、その特徴と簡単な経営への活かし方を説明します。

 

1・制度会計

制度会計用のデータ(決算報告書、月次試算表など)の活かし方は、
主に数値や指標の比較に利用します。
サンプルが多く統一性があるので、比較分析に有効です。

例えば同じ業種の利益率、労働分配率などを自社と比較して
自社が優位な点、改善すべき点などを見つけていきます。

また制度会計の数字は外部公表用として正確なものが蓄積されていくので、
管理会計の基礎の数字となる役割も担っています。
次に説明する時系列分析や損益分岐点分析は、管理会計の分野ですが、
その数字の基礎は制度会計の正確な数字を利用することになります。

正確な数字が使用されることから同業他社比較分析、
管理会計の基礎資料として利用価値が高いのが制度会計です。

 

2・管理会計
管理会計は各社独自の様式により、個別に作成すべきものです。
会社が管理すべき重要な数字を時系列に表示するなど、
財務データに表れない自社の問題点などを分析するために使います。
代表的なものとしては変動損益計算書、事業別損益計算書などが挙げられます。

代表的なものについて少し説明を加えます。

 

①時系列分析
時系列分析は財務データを月毎に並べて、異常な数値がないかを確認する分析です。
売上・経費・利益の推移、増減、状況などがひと目で確認できます。
また過去の平均や移動平均などとの比較も有効な経営分析になります。

 

②変動損益計算書
通常の損益計算書の原価・経費を、変動費・固定費に区分して損益計算書を作成します。
(変動費は売上の増減に連動する経費、固定費は逆に売上の変動に関係なく発生する経費です)
これにより、売上の増加・減少に伴う損益の予測が可能になります。
損益分岐点売上高、目標利益を得るための売上高の算定などに使われます。

 

③事業別損益計算書
通常の損益計算書を事業別に区分したものです。
どの事業が利益を出していて、どの事業が利益を出せていないのかがひと目で確認することができ、
今後の事業展開の参考にできます。

 

代表的なものは以上ですが、更に細かく、担当者別、商品別、イベント別、などに細分化して分析したり、
広告の費用対効果を測定したり、売上を発生原因で分析したりなど、独自の集計を行うものなども管理会計の範囲になります。
会社の経営を良くするために必要な数字は単純な売上高や粗利だけではありません。
会社独自の重要な数字の分析と管理が必要です。

 

勘や思い込みだけで経営の舵取りを行うことは危険ですし、会計データなしでは今後の指針をたてることも困難です。
制度会計と管理会計の会計データの特性を理解した上で、そのデータを上手に管理して、経営に役立てたいものです。

 

まとめ

1・会計は大きく分けると制度会計と管理会計がある
2・制度会計は外部公表用、管理関係は内部管理用
3・それぞれの特徴を理解して、それぞれの会計データの正しい活用が必要

 

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福田哲也代表取締役

投稿者の過去記事

S49年3月生まれ
仙台市出身
CFP・税理士

企業の税務や会計だけでなく、
社長の財産形成についても一緒に考える会計事務所を運営しています。

ご自身の財産、節税、経営について真剣にお考えの方、
お問い合わせお待ちしております。

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