利用しない手はない!? 旅費日当のすごい節税効果

会社の経営者となると、仕事での出張が多いという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

出張をすると細々とお金がかかります。
食事、移動、手土産、消耗品の購入など、普段必要としない経費が結構掛かるものです。
領収書がもらえて会社の経費として精算できればいいのですが、経費が細かすぎたり個人的だったりすると、
なかなか全ての領収書を集めて精算するのは難しいのではないでしょうか?

そのような場合に重宝するのが、旅費日当という経費の精算制度です。

旅費規定というものを会社で作成して、その規定通りに出張した人に日当を支給するというものです。
節税の観点から、この旅費日当が優れている点が3つあります。
その3つとは以下のとおりです。

 

1・支給した旅費日当は会社の経費になる

これは当然といえば当然のことですが、支給した旅費日当は会社の経費になります。
利益が出ている会社は、この制度を導入して日当を支給することにより、会社の法人税等を節税することができます。

 

2・日当を受け取った人には課税されない

会社の経費という観点からすれば、旅費日当ではなく給料で支給しても節税にはなります。
ただしその支給を受けた側は所得税・住民税が課税されてしまいます。社会保険料の負担も増えてしまいます。
しかし旅費日当の場合は、支給を受けた側には課税はされません。つまり非課税で支給を受けることができるのです。

ここが大きなポイントです。

支給する側は経費、支給を受ける側が非課税という制度でこれだけ使いやすい制度は他にありません。
非課税となる上限や旅費規定の作成の仕方に気をつけなければなりませんが、有効活用すべき制度です。

 

3・消費税が控除できる

通常、会社は売上などにかかる消費税を預かり、経費にかかる支払った消費税と相殺して、
その差額に相当する消費税を税務署に納めなければなりません。
その際にこの旅費日当についても消費税を払ったものとして、納付すべき消費税から差し引くことができるのです。
実際に外部に外税で追加負担するものではないことを考えると、ここでも非常に有利となっていることがわかります。

 

具体例を見ていきましょう。

今まで旅費日当を支給せずに、出張経費分として役員報酬に毎月10万円追加支給されていた社長がいたとします。
この社長が旅費規定を利用して、旅費日当を受け取れるようにした場合です。

前提条件:役員報酬月額10万円減額、所得税率は2割、給与所得控除は概算で1割、減額分は旅費日当で支給

会社は役員報酬・旅費日当いずれにしても経費なので、法人税等は変わりませんが、消費税の負担が約9万円程度軽くなります。(1,200,000/1.08✕0.08)
社長の給料は年間120万円下がりますが、旅費日当で旅費を補填されるので手取りには影響はありません。
年間120万円給料が下がると、給与所得控除後の所得が108万円減額されることになります。
108万円の2割が所得税、1割が住民税で合計3割で約32万円が一年間で節税になります。

これは社会保険料を考慮していませんが、社会保険料にも影響がある場合会社と社長合わせてさらに30万円程度負担が下がることになります。
社保に影響がある場合、会社と社長の税金の負担が少し減るので、単純に合計額を負担軽減分とは判断できませんが、
それでも60万円くらいは会社と社長での負担が減ることになります。

 

このようにトリプルで節税できる旅費日当の制度、利益が出ている会社は利用しない手はないでしょう。
大変使い勝手が良く、そして効果の大きい非課税制度です。

旅費規定や旅費精算書の作成など事務手続きは若干面倒ですが、その効果は大きいです。
顧問税理士などに相談の上、非課税となる範囲を見極めて上手に旅費日当を利用していただければと思います。

 

感想・質問・お問い合わせはこちら

福田哲也代表取締役

投稿者の過去記事

S49年3月生まれ
仙台市出身
CFP・税理士

企業の税務や会計だけでなく、
社長の財産形成についても一緒に考える会計事務所を運営しています。

ご自身の財産、節税、経営について真剣にお考えの方、
お問い合わせお待ちしております。

ピックアップ記事

PAGE TOP